FX、信用取引の売りとは
FXや信用取引には通貨や株価が
下がった時に利益を出すことの
できる手法があります。
その仕組みを解説しました。
FXの売りとは
FXは前回の投稿で解説したように
証拠金を預けて、その25倍分の
為替取引ができるという
金融商品でした。
FXでは「売りから入る」
ということが可能です。
米ドルが135円ぐらいの時は
高くて中々買えず、
下がってくるのを待つしか
ないのですが、135円から
下がってくるときに
売りという手法で利益を
出すことができます。
FXの売りの仕組み
FXにおいて「空売り」をするというのは、
現在の為替レート(ドルなどの価格)と
決済時のマイナスの差額を貰う権利を
証拠金を使って得るという仕組みです。
同時に買い戻す義務も生じます。
例)米ドル135円の時に10000ドル
空売りすると証拠金54000円を預けて
現在の価格からマイナス分の差額を
貰える権利を得ます。
134円になったとき買い戻す義務を
行使するとマイナスの差額10000円を
受け取ることができるという
仕組みです。
もちろん135円から円安が進むと
買い戻す義務がありますので
損失をかかえることになります。
権利の売買ですので手数料は
かかりません。
もちろん通常の為替取引の手数料
1ドル0.002円はかかります。
注意点はスワップポイントです。
前回の投稿で10000米ドル購入で
1日70円程度の利子のようなものが
付くと書きましたが、
その逆が起こります。
1日70円程度の金利を決済しない限り
毎日取られるということです。
株の信用取引とは
信用取引の仕組み
株の信用取引とは現金や株そのものを
担保として(株で株が買える(笑))
約3倍までの資金を調達できる
という制度です。
まず各証券会社の信用取引口座を
開設します。
そこに委託保証金を預けます。
法令で30万円以上、購入代金の30%
以上と定められています。
FXと同様購入した株の価格が
値下がりし、保証金維持率が25%を
下回ると追証といって30%を
上回るまで保証金を翌々営業日
までに追加しないといけません。
できない場合は強制決済となります。
(50%を下回ると強制決済される
FXより少し甘い?)
3倍の資金分の株を買うことが
できるのですから少ない資金で
大きな利益を生み出すことができます。
注意点はFXと違い、保証金をもとに
お金を借りて株を買う形になるので
金利がかかるということです。
各証券会社で異なりますが
大体年利2.8%、900円の株を
1000株買うと年間2万5千円、
1日70円程度の利息を払うことに
なります。
長期保有には向かない取引手法です。
取引手数料はSMBC日興証券、
SBIネオトレード証券なら無料のほか
1日100万円までなら無料の証券会社も
多いです。
信用売りの仕組み
信用取引の「空売り」というのは
FXの権利の売買と違い、
現物の株を売買するので
仕組みは少し違います。
まず委託保証金を預けて
証券会社から株を借ります。
そして借りた株を市場で売ります。
すると現金が手に入ります。
株価が下がったところでその現金で
株を買い、証券会社に返すという
仕組みです。
余った現金が利益となります。
例)委託保証金28万5千円を利用して
日本郵政の株を1000株借ります。
そして1株950円のときに市場で
売ります。(もちろんわざわざ
借りたり売ったりするのではなく
信用売りというボタン一つ)
すると95万円手に入ります。
900円になった時にその現金で
1000株買って、証券会社に返せば
差額の5万円が手元に残ります。
(これも買ったり返したりするの
ではなく返済買いというボタン一つ)
注意点は株を借りますので貸株料
という手数料が必要になり各証券会社
年約1%ほどです。
上記の例ですと1日26円程度
貸株料がかかります。
また貸せる株が少ないとき
調達手数料として逆日歩というもの
がかかりこちらは
1株1日1円とかもあるので要注意です
買いは家まで売りは命まで
上記の言葉は信用取引で昔から
よく言われる格言です。
株は会社が倒産すれば0円になって
終了ですから損失額の上限は
買った時の株価×株数です。
ところが会社によっては業績が
急上昇するなど株価の上限は
ありません。
したがって安易に空売りすると
とんでもない損失額になることが
あります。
したがって空売りをする場合は
しっかり自分で処分する額を決めて、
最新の注意を払わないと家どころか
命まで失いかねませんよという意味の
言葉です。
この株もう上がらないんじゃないかと
空売りする安易な取引は慎まないと
いけませんね。
「もうはまだなり、まだはもうなり」
という格言もあります。
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